収益部門へのAI導入は41.8%で、導入済み209名の89.5%が何らかの効果を実感しています。一方で、収益部門のデータが完全に統合されている企業は9.8%にとどまります。ここで分けて見るべきなのは、個別部門で効率化の手応えがあることと、部門をまたぐ判断の材料が一つになっていることです。前者はツールや局所の工夫で起こり得ますが、後者にはデータと運用の共通ルールが必要です。
完全な統合が進まない状態では、同じ顧客でも営業、マーケティング、カスタマーサクセスが異なる情報と更新時点を見ます。AIがもっともらしい提案を出しても、参照する商談、活動、顧客状態がそろわなければ、部門ごとに次のアクションがずれます。問題はAIの精度だけではなく、入力された情報がどの定義で管理され、いつ誰に引き渡されるかです。
Merが先に確認するのは、顧客・商談・活動の定義、更新責任、品質の点検、部門間の受け渡しです。そのうえで、どのAI出力をどの会議・顧客対応・投資判断で使い、何を改善指標にするかを決めます。AI導入を目的にせず、収益判断に戻るデータの流れを設計することが、局所的な効率化を運営構造へ変える条件です。
データ品質を「非常に高品質」と答えた企業は11.0%、データ管理体制や品質管理プロセスが十分に整備されていない企業は42.2%でした。統合の可否をシステム連携だけで判断すると、重複、欠損、更新遅れが判断の場に持ち込まれます。どのデータを正本とし、誰が品質を直すかまで決めて初めて、部門横断のAI利用に耐えられます。
Merは、AIのユースケース選定より先に、顧客・商談・活動データの定義と更新責任を点検します。次に、データ品質を確認する会議、修正の担当、AIの出力を使う判断を一つの循環にします。効率化の実感を収益部門全体の運営改善へ広げるには、出力の精度ではなく、データが判断へ戻るまでの責任設計が起点です。