AIの効果を実感しても、データ品質が追いつかない理由

年間売上5億円以上の企業の経営層・事業責任者500名への調査です。AI導入と効果実感の広がりを、収益部門で意思決定に使えるデータの状態から読み解きます。

年間売上5億円以上の企業の経営層・事業責任者500名を対象に、2025年8月27日〜9月3日に実施した収益部門に関する調査です。

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AIの効果を、収益部門全体の判断へ戻すために。

AIの効果を、収益部門全体の判断へ戻すために。

500名の調査から、AI導入と効果実感の広がりに対して、部門横断で使えるデータがどこまで整っているかを確認します。

調査が示した、三つの論点

41.8%

収益部門へAIを導入済みの企業

AI導入は広がり始めています。

89.5%

導入企業で効果を実感した人

局所的な効率化の手応えは得られています。

9.8%

収益データが完全に統合されている企業

部門横断の意思決定に使えるデータは、まだ限られています。

数値の設問・選択肢・母数の詳細はレポート本編に記載しています。

レポートで確認できること

1. AI導入と効果実感

導入状況、効率化、コスト、収益への手応えを確認できます。

2. 収益データの現在地

統合、品質管理、更新責任がどこまで整っているかを整理しています。

3. データを判断へ戻す条件

顧客・商談・活動データを、会議と顧客対応にどう使うかを確認できます。

調査が示したこと

年間売上5億円以上の企業の経営層・事業責任者500名への調査で、収益部門へのAI導入済みは41.8%でした。導入済み209名の89.5%が効果を「非常に」または「やや」実感し、効果実感者187名では営業活動の効率化53.5%、業務コスト削減49.7%、売上・収益増加37.4%が挙がりました。一方、収益部門のデータが完全に統合されている企業は9.8%、データ品質を非常に高品質と答えた企業は11.0%、データ管理体制や品質管理プロセスが十分に整備されていない企業は42.2%でした。局所的な効果実感と、部門横断で使えるデータ基盤は別の状態です。

Merの考察

収益部門へのAI導入は41.8%で、導入済み209名の89.5%が何らかの効果を実感しています。一方で、収益部門のデータが完全に統合されている企業は9.8%にとどまります。ここで分けて見るべきなのは、個別部門で効率化の手応えがあることと、部門をまたぐ判断の材料が一つになっていることです。前者はツールや局所の工夫で起こり得ますが、後者にはデータと運用の共通ルールが必要です。

完全な統合が進まない状態では、同じ顧客でも営業、マーケティング、カスタマーサクセスが異なる情報と更新時点を見ます。AIがもっともらしい提案を出しても、参照する商談、活動、顧客状態がそろわなければ、部門ごとに次のアクションがずれます。問題はAIの精度だけではなく、入力された情報がどの定義で管理され、いつ誰に引き渡されるかです。

Merが先に確認するのは、顧客・商談・活動の定義、更新責任、品質の点検、部門間の受け渡しです。そのうえで、どのAI出力をどの会議・顧客対応・投資判断で使い、何を改善指標にするかを決めます。AI導入を目的にせず、収益判断に戻るデータの流れを設計することが、局所的な効率化を運営構造へ変える条件です。

データ品質を「非常に高品質」と答えた企業は11.0%、データ管理体制や品質管理プロセスが十分に整備されていない企業は42.2%でした。統合の可否をシステム連携だけで判断すると、重複、欠損、更新遅れが判断の場に持ち込まれます。どのデータを正本とし、誰が品質を直すかまで決めて初めて、部門横断のAI利用に耐えられます。

Merは、AIのユースケース選定より先に、顧客・商談・活動データの定義と更新責任を点検します。次に、データ品質を確認する会議、修正の担当、AIの出力を使う判断を一つの循環にします。効率化の実感を収益部門全体の運営改善へ広げるには、出力の精度ではなく、データが判断へ戻るまでの責任設計が起点です。

自社で確認したい論点

収益部門で使う顧客・商談・活動データについて、定義、更新責任、利用部門が決まっているか。部門間の引き継ぎで、同じ顧客情報を転記・照合せずに参照できるか。重複、欠損、古い情報をどの指標で点検し、誰が修正するか決まっているか。AIの出力を、どの会議・判断・顧客対応で使い、効率化・品質・収益のどれで効果を測るか定めているか。

調査概要・出典

株式会社Mer「Japan RevOps Report 2025 Autumn」。2025年8月27日〜9月3日実施。年間売上5億円以上の企業に所属する経営層(社長・役員クラス)および事業責任者500名を対象に、経営・営業・マーケティング・カスタマーサクセスの収益部門について実施したインターネット調査。調査機関は株式会社IDEATECH。本ページの解釈はMerの見解です。

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調査結果と実務への示唆を、レポート全文でご確認いただけます。