2026年3月のPipedrive公式アップデートは、「営業後工程の標準化」と「データ運用の安全性・視認性」を一段引き上げる内容が中心です。
本記事では、単なる機能紹介ではなく「運用にどう効くか」に焦点を当てて整理します。
1. Projects:ポストセールス運用の“型”を作る
1-1. プロジェクト内タスクの自動化
今回のアップデートで、Projects内のタスクをトリガーにワークフローを自動化できるようになりました。具体的には、次のようなイベントをきっかけに自動処理を走らせることができます。
タスクの作成/完了/担当者アサイン
期限超過(オーバーデュ―)
タスクの更新内容の変更
これにより、たとえば以下のような「受注後の標準プロセス」をPipedrive上にそのまま再現できます。
「キックオフ → 要件定義 → 初期設定 → 納品」のステップをテンプレート化し、完了に応じて次タスクを自動生成
タスク完了と同時に、担当部門や担当者を自動で切り替える
期限を過ぎたタスクを自動でエスカレーションし、ステージ変更や担当変更を行う
営業がクローズしたあとの「引き継ぎ〜オンボーディング〜定着」までを、属人的なToDo管理ではなく、再現性のあるワークフローとして設計できるようになる点がポイントです。

1-2. Projectsデータのインポート&エクスポート
Projectsのデータを一括インポート/エクスポートできるようになり、フィールドマッピングやタイトル自動補完も改善されました。
これにより、次のようなシーンでの運用ハードルが下がります。
他プロジェクト管理ツールからPipedrive Projectsへの移行
新チーム立ち上げ時に、テンプレート的なプロジェクトをまとめて投入
Pipedrive外(BIツールやスプレッドシート)でのプロジェクト粒度の分析・レポート
なお、Projectsは「Premium / Ultimateプランでは標準」「Lite / Growthプランではアドオン」として利用可能です。
2. Activities:メール起点の営業活動を“計測可能”にする
2-1. メール送信時の自動アクティビティ記録
Pipedriveのメールコンポーザーからメールを送信した際、自動的に「完了済みアクティビティ」として記録されるようになりました。
これにより、
「メールは送ったがアクティビティを作っていない」状態を解消
アクティビティレポート上の数値と、実際のアプローチ数のギャップを縮小
個人・チーム単位での活動量を、より正確に把握
といったメリットが生まれます。特に、GmailやOutlookではなく「Pipedriveからメールを送る運用」に寄せているチームほど、恩恵が大きいアップデートです。
2-2. 一括アクティビティ作成の対象拡大
アクティビティの一括作成が、次の画面からも行えるようになりました。
Sales Inbox の「送信済み」フォルダ
人物/組織/リードの各リストビュー
アウトバウンドやキャンペーン型のフォローを行う際に、
「誰に対して、いつ、どのようなフォローをしたのか」
「次回フォローのタスクが、どこまで登録されているか」
を、アクティビティベースで管理しやすくなります。
「メールは大量に送っているが、アクティビティの設計・記録が追いついていない」というチームにとっては、計測と再現性の両面で効く改善です。

3. Data enrichment:現場画面はシンプルに、裏側はリッチに
3-1. エンリッチメント用デフォルトフィールドの非表示
エンリッチメント関連のデフォルトフィールドを、取引・人物・組織の詳細画面から非表示にできるようになりました。
重要なのは、フィールドを隠しても次が維持される点です。
Insights(レポート)での集計
オートメーション(ワークフロー)の条件分岐
フィルターによる絞り込み
つまり、
営業メンバーの画面は必要最低限にそぎ落としつつ
運営側はエンリッチされたデータを分析・自動化用の変数として活用
という「フロントとバックの乖離」を意図的に設計しやすくなります。
3-2. 新しい外部データプロバイダーへの移行
データエンリッチメント機能が新たな外部プロバイダーに移行しました。
目的は、長期的な安定性と精度の向上であり、
すでにエンリッチ済みのデータ
所持しているクレジット
はそのまま利用可能です。運用担当としては、既存ワークフローを変えずに、裏側の品質改善だけ享受できるアップデートと捉えてよい内容です。

4. Data restoration:一括更新の“セーフティネット”を強化
一括変更の履歴確認&復元
「データの復元」機能内に、一括変更専用のページが追加されました。ここから、次のような操作が可能です。
いつ/誰が/どのような一括操作を行ったかを一覧で確認
誤った一括編集を、30日以内であれば元に戻す
リードから取引への一括コンバートも復元対象として扱う
大量データのインポートや一括更新、クレンジング作業などは、運用上どうしても「ヒヤリ」が発生しがちです。
今回のアップデートにより、「万が一の際にロールバックできる」という前提で、一括操作を設計しやすくなります。

5. まとめ:どんな組織に特に効くアップデートか
2026年3月のアップデートは、次のような課題を抱える組織に特にフィットします。
受注後のオンボーディングや導入プロジェクトが属人化しており、「担当者によってやり方が違う」
メール送信はしているが、アクティビティとしてのログが残っておらず「活動量」と「成果」の紐付けが弱い
エンリッチ済みの項目が増えすぎて、営業メンバーの画面が“情報過多”になっている
一括更新やインポートのたびに、「これミスったら戻せないのでは?」という心理的負担が大きい
Pipedrive側の機能としては、
「ポストセールスのプロセス化」「データの見せ方と使い方の分離」「大胆な一括更新を支えるリスクヘッジ」
という3つの方向に舵を切っているアップデートだと整理できます。
自社での活用にあたっては、
Projectsをどこまで“プロジェクト管理ツール”として使うか
メールとアクティビティのログ設計を、どの粒度・ルールで統一するか
エンリッチ項目のうち「現場には見せないが、裏では使うデータ」はどれか
一括更新の権限・手順・ロールバック方針をどう設計するか
といった論点を、一度チーム内で議論しておくと、今回のアップデートを最大限活かしやすくなります。
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